フラワー・オブ・ライフ ― 古代神聖幾何学の秘密(第1巻)

フラワー・オブ・ライフ ― 古代神聖幾何学の秘密(第1巻)
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松果体は、もとは
ピンポン玉の大きさだった。

THE ANCIENT SECRET OF THE FLOWER OF LIFE
『フラワー・オブ・ライフ ― 古代神聖幾何学の秘密 第1巻』
ドランヴァロ・メルキゼデク

あなたの脳の中心に、ひとつの腺がある。松果体。本書によれば、それはかつてピンポン玉ほどの大きさだった。物理学を捨てた男が、緑と紫の天使に導かれ、ひとつの円から宇宙のすべてを引き出してみせる。

SCROLL

あなたの脳の中心に、ひとつの腺がある。松果体。

本書によれば、それはかつてピンポン玉ほどの大きさだった。いまは乾いたエンドウ豆くらいに縮んでいる。理由はシンプルだ。使わなくなったから。使わなければ、失う。

そして本書は言う。この豆粒のなかに、宇宙がどう創られたかの設計図が、いまも丸ごと封じ込められている、と。すべての人間の頭の中に。

これが『フラワー・オブ・ライフ』第1巻の世界だ。物理学を捨てた男が、緑と紫の天使に導かれ、ひとつの円から宇宙のすべてを引き出してみせる。2001年の邦訳刊行以来、この本がスピリチュアルのバイブルとして君臨し続けてきた理由は、その圧倒的な情報量と、検証可能な数学と検証不可能な神話を平然と同じページに並べる、その異様な手つきにある。

これは要約できない本だ。だが、その入口だけは、ひとつの円から始められる。

01 THE MAN WHO LEFT PHYSICS

第一章物理学を捨てた男と、緑と紫の天使

ドランヴァロ・メルキゼデクは、神秘家として生まれたわけではない。

★ BERKELEY 物理学の黒板から、神聖幾何学の世界へ歩み出る青年
数式の壁を抜けて、光の幾何学へ
BERKELEY / 物理学を捨てた、あと一学期

本名バーナード・ペローナ。1941年、カリフォルニア州アラメダ生まれ。ベトナム帰還兵。カリフォルニア大学バークレー校で物理学を専攻し、数学を副専攻とした。卒業まで、あと一学期だった。

ところが彼は、その学位を捨てた。本人の弁によれば、物理学者たち自身について、ある事実に気づいてしまったからだ。真理が自分たちの信じる枠組みに合わないとき、彼らは顔を背ける。それは「科学ではない科学」だった——そう書いている。本書の語り手は、神聖幾何学を語るのに、まず科学への失望から入る。これがこの本の妙な信頼感の源になっている。語っているのは、数式を捨てた物理学徒なのだ。

そして瞑想を始めた。四、五ヶ月後の1971年、部屋に二体の存在が現れる。身長は人間の倍以上。ひとつは緑、ひとつは紫の光を放っていた。天使だった。以来この二体は彼の傍らを離れず、八十人を超える師のもとへ、最後にはアトランティスとエジプトとギリシアを生きた不死の存在トートのもとへ、彼を導いていく。本書の謝辞は、この二体の天使への礼から始まる。

★ ANGELS 緑と紫の光を放つ二体の天使と、瞑想する青年
緑と紫、二体の光の存在
1971 / 部屋に現れた、人間の倍以上の背丈
★ 1971 1971年ニューヨーク、コズミック・コンシャスネスの講演
物理学を捨て、語り部になった男
NEW YORK 1971 / COSMIC CONSCIOUSNESS
/ 検証の目線

ここは正直に記す。彼の経歴には検証の難しい部分がある。バークレーで実際に得たのは美術系の学位で、物理・数学の学位の記録は確認されていない、とする指摘がある。改名は1991年。「メルキゼデク」の名はカナダ・バンクーバーの教団で得たものだ。

だが面白いのは、著者自身がそうした「裏取り」を、本のなかであらかじめ無力化していることだ。彼ははっきり書く。情報そのものは重要ではない、と。「もし誤りを見つけたら、もっと深く見よ」。情報は、ある意識状態へ読者を運ぶための乗り物にすぎず、本当に重要なのは情報ではなく瞑想なのだ、と。真実と思うか、ただの物語と思うか——それはあなたが決めること。心で深く聴け、心はいつも真実を知っている。本書はこの一言を、最初から最後まで読者に突きつけ続ける。

02 THE FALL & THE BREATH

第二章堕落とは、呼吸が変わったことだった

本書の宇宙史は、ひとつの「堕落」から始まる。

★ THE FALL 黄金期の文明と、彗星と津波による崩壊
高い意識から、転落した
THE FALL / 制御を失った螺旋、密度の世界へ

本書によれば、いまから一万三千年ほど前——正確には一万六千年前から一万三千年前のあいだに、人類はきわめて高い意識状態から転落した。多くの次元を、制御を失った螺旋を描いて、密度を増しながら落ちていった。そして行き着いたのが、この第三次元、つまり私たちの世界だ。

問題は、落ちたときに何が変わったかである。本書がここで持ち出すのが、松果体だ。

★ ATLANTIS 大津波に呑まれ沈みゆく古代都市
記憶を失い、密度のなかへ沈む
DELUGE / 失われた高次の世界
★ PRANA 光が松果体を通る状態と迂回する状態
光は、どこを通るか
PRANA / 中心軸を貫く光と、逸れて渦巻く光

本書によれば、堕落以前、人類はプラナ——この宇宙の生命エネルギー——を、松果体を通して取り入れていた。体の中心を貫く管を上下に流していた。ところが堕落とともに記憶を失い、私たちは鼻と口で呼吸を始めた。するとプラナは松果体を迂回するようになる。この一点が、決定的だった。

本書はこう続ける。松果体を迂回した結果、私たちの世界の見え方が根本から変わってしまった。ひとつだった現実が、善と悪、光と闇——二つに割れて見えるようになった。これを本書は「分極意識(ポラリティ・コンシャスネス)」と呼ぶ。自分は体のなかにいて、外の世界を眺めている。自分と「あそこにあるもの」は切り離されている——その感覚だ。本書に言わせれば、これは純然たる錯覚である。リアルに感じられるが、真実は一片もない。堕ちた状態から見た、現実の見え方にすぎない。

/ 検証の目線

松果体が「縮んだ第三の目」だという発想は、本書の創作ではない。松果体は確かに光に反応する組織を持ち、進化的には光受容器官に由来する。爬虫類の一部には頭頂に「頭頂眼」が残る。デカルトはこの腺を「魂の座」と呼んだ。本書はこうした実在の不思議の上に、堕落と呼吸の神話を重ねていく。事実と神話の継ぎ目が、ここでも見えないほど滑らかだ。

03 FROM CIRCLE TO FLOWER

第三章円が花になる――誰でも描ける宇宙

では、フラワー・オブ・ライフとは何か。

始まりは、たった一つの円である。その円のふちに中心を置いて、同じ大きさの円をもう一つ描く。二つの円が重なり、アーモンド形の領域が生まれる。これを「ヴェシカ・パイシス」と呼ぶ。魚の浮き袋、という意味のラテン語だ。光と闇、男性性と女性性、霊と物質——対立するものが交わる、最初の一歩。

★ GEOMETRY 一つの円から生命の花が育つ過程
ひとつの円から、生命の花へ
FLOWER OF LIFE / 円・ヴェシカ・種・卵・果

ここからは止まらない。交点を中心に、同じ円を次々と重ねる。六つの円が一つを取り囲んだとき、六弁の花が現れる。「種の生命(シード・オブ・ライフ)」。七つの円で構成され、創世記の天地創造の七日間に重ねられることもある。種に円を足すと「卵の生命」になり、さらに重ねて十三の円からなる「果の生命(フルーツ・オブ・ライフ)」が立ち上がる。

この一連の流れには、ごまかしが一切ない。コンパスと定規さえあれば、誰でも同じ図形にたどり着く。六つの円が一つを囲むのは、正三角形の内角が六十度で、三百六十を六十で割ると六になるから。それだけの理由だ。神秘ではなく、幾何学の必然。だからこそ蜂の巣も、雪の結晶も、玄武岩の柱状節理も、グラフェンの炭素環も、昆虫の複眼も、同じ六角形を選ぶ。自然が効率を求めるとき、いつもこの形に行き着く。

本書がスピリチュアル本でありながら数十万人を掴んだのは、ここに理由がある。著者は本のなかでこう宣言する。私は時間の半分を、左脳的な情報——幾何学や事実に費やす、と。なぜか。堕落のとき、私たちは自分を男性性と女性性、二つに割ってしまった。左脳(男性性)は分離しか見ない。だから左脳を、論理そのもので説得しなければならない。左脳が「すべてはひとつ」だと心底納得したとき、左右の脳をつなぐ脳梁が新しく開き、松果体が起動する——本書はそう説く。

描けばわかる。手を動かせば、
宇宙の設計図が指先から立ち上がる。

04 METATRON & PLATONIC SOLIDS

第四章メタトロン立方体と、五つの完全な立体

果の生命——十三の円。その中心を、すべて直線で結ぶ。

すると姿を現すのが「メタトロン立方体」だ。本書によれば、これは平面の模様ではない。本来は三次元で、十三個の球が三方向の十字に組まれた立体構造である。正面から見れば、立方体のなかに立方体が入れ子になっている。

/ INTERACTIVE FIGURE ・ メタトロン立方体の生成
果の生命 13円 → 全点を直線で結ぶ → メタトロン立方体

そしてこの直線の網のなかに、五つの立体が隠れている。正四面体、立方体、正八面体、正十二面体、正二十面体。古代ギリシアの哲学者プラトンが「世界を構成する根本の形」とした、五つの「プラトン立体」だ。プラトンはこれを四大元素と宇宙に対応させた。火は正四面体、地は立方体、空気は正八面体、水は正二十面体。そして第五の正十二面体は、宇宙そのもの。

正四面体 / 火

4つの正三角形。最も鋭く、最も少ない面でできた立体。

立方体 / 地

6つの正方形。安定と物質。地に足のついた形。

正八面体 / 空気

8つの三角形。上下対称、軽やかな均衡。

正二十面体 / 水

20の三角形。最も球に近く、流れる形。

正十二面体 / 宇宙

12の五角形。第五元素=宇宙そのものの形。

本書によれば、この五つの立体こそが、鉱物から音、言語、生命体にいたるまで、あらゆる物質の鋳型である。たった一つの円から育った花のなかに、世界を組み立てる全部品が畳み込まれている——これが本書の中核だ。

/ 検証の目線

プラトン立体が「あらゆる物質の鋳型」だというのは文字どおりの事実ではない。だが種は確かに自然界に埋まっている。多くの鉱物の結晶構造はプラトン立体の対称性に従う。多くのウイルスは正二十面体の殻を持つ。炭素はダイヤモンドやフラーレンとして規則正しい多面体を組む。本書の主張は詩的に盛られているが、その芯には実在の対称性がある。神秘と科学のあいだ。本書はいつもその境界線の上を歩く。

05 THE FIRST EIGHT CELLS

第五章最初の八細胞と、卵を包む透明帯

本書のなかでも、特に鳥肌が立つのがこの接続だ。

★ ORIGIN 正八面体に近い配置をとる最初の八細胞
あなたの始まりの、八つの球
EGG OF LIFE / 透明帯に包まれた八細胞期

メタトロン立方体の外側の立方体を取り去ると、内側に八つの球が残る。本書によれば、これが「卵の生命」——そしてこれは比喩ではない。あなた自身の始まりだ。

人間の受精卵は、最初に一つの球(卵子と、それを包む透明な殻)として存在する。受精すると分裂を始める。一個が二個に、二個が四個に、四個が八個に。本書が注目するのが、この最初の八細胞期だ。八つの細胞は、互いにほぼ均等な大きさで、正八面体に近い配置をとる。本書によれば、この八細胞こそ「卵の生命」の生きた姿であり、私たちの肉体の元型がここに刻まれている。

さらに本書は、この八細胞の周囲に円と正方形をぴたりと描くと、その円が卵を包む膜——「透明帯(ゾナ・ペルシダ)」の比率に一致する、と指摘する。神聖幾何学が、顕微鏡の下のあなたの最初の一週間に、そのまま重なる。

/ 検証の目線

ここは事実の土台がしっかりしている。受精卵が二、四、八と分裂すること、八細胞期が発生学上の重要な節目であること、卵が透明帯という殻に包まれていること——すべて発生学の基本だ。本書はその実在の事実に、創造の幾何学という意味を重ねる。あなたは幾何学から生まれた。その主張を、自分の体の記憶として突きつけてくる。本書が「頭ではなく体で読め」と言う意味が、この章でわかる。

06 DOGON, SIRIUS B & DOLPHIN

第六章ドゴン族、シリウスB、そしてイルカ

本書は、世界中から「説明のつかない事実」を拾い集める。その白眉が、アフリカのドゴン族だ。

★ SIRIUS ドゴン族の洞窟壁画とシリウス、ノンモ
壁画が教えてくれた、と彼らは答えた
NOMMO / 空から降りる円盤と、水に飛び込む存在

本書によれば、西アフリカ・トンブクトゥ近郊のドゴン族は、近代天文学でしか測れないはずの知識を、七百年以上前から保持していた。彼らの聖なる洞窟には壁画があり、ひとりの聖者が生涯をかけてそれを守る。その壁画が語るのが、シリウスのことだ。

夜空で最も明るい星シリウス(現在のシリウスA)。ドゴン族は、その周りをもう一つの小さな星が回っていると言う。非常に古く、非常に小さく、「宇宙で最も重い物質」でできていて、公転に「五十年近く」かかる、と。

天文学がこの伴星シリウスBの存在を確認したのは1862年。白色矮星だった。公転周期を測ると——50.1年。ドゴン族の言う「五十年近く」と、ほぼ一致した。本書によれば、その密度は1立方インチあたり約150万トン。地面に置けば、あらゆるものを貫いて地球の中心まで沈み、核を行き来して、摩擦で止まるまで揺れ続けるほどの重さ。

ではドゴン族は、どこでこれを知ったのか。本書によれば、彼らは答えた。壁画が教えてくれた、と。壁画には、空から降りてきて三本脚で着地する円盤、地面に穴を掘って水を満たし、そこへ飛び込むイルカのような存在——「ノンモ」が描かれている。著者はこの逸話に、ペルーでの体験を重ねる。クスコのホテルの23号室(シリウスがアフリカで再び昇る日は7月23日だ)、そのベッドカバーにイルカに似た紋章を見つけ、チチカカ湖畔のウロス族に尋ねると、ドゴン族とそっくりの創造神話——空飛ぶ円盤と、水に飛び込んだイルカ的存在の話が返ってきた。

/ 検証の目線

ここは慎重に読みたい。ドゴン族のシリウス知識をめぐる謎は実在し、ロバート・テンプルの著書『シリウス・ミステリー』で広く知られた。ただし学界では、二十世紀前半にドゴンを訪れた西洋人(宣教師や人類学者)から知識が伝わった可能性が有力視されている。本書はこの謎を、地球外との接触という最大級の物語へと一気に飛躍させる。事実としての謎と、神話としての解釈。その振れ幅こそが、本書の読みどころだ。

07 PI HIDDEN IN SANSKRIT

第七章サンスクリットに隠された円周率

もうひとつ、本書が好んで持ち出す挿話がある。

★ π サンスクリットの詩と円周率π
詩を唱えることは、πを唱えることだった
KAṬAPAYĀDI / 音価に翻訳された円周率

本書によれば、あるサンスクリットの詩を音価に翻訳すると、ひとつの数が浮かび上がる。0.3141592653589……小数点以下三十二桁まで続く、その数。これは円周率πを十で割った値、小数点三十二桁までに正確に一致する。

円周率。円の直径に対する円周の比。古代人が、まさかこれほどの精度で——という驚きを、本書はそのまま読者に手渡す。サンスクリットの各音には0から9の数価が対応し、その詩を読むことは、同時にπを唱えることだった。誰が、いつ、なぜ、こんな仕掛けを詩に埋め込んだのか。本書は問う。私たちの「古代人=未開」という前提は、本当に正しいのか、と。

/ 検証の目線

この挿話の出典について、本書は雑誌記事を挙げている。サンスクリット数秘術(カタパヤーディ方式)で文字列に数を対応させる伝統は実在し、インド数学が三角関数や級数で高度な達成をしていたことも事実だ。一方、特定の詩がπを三十二桁含むという主張そのものの検証は難しい。だが本書の狙いは、πの桁数の真偽そのものではない。「古代の知性を侮るな」という、本書全体を貫く挑発の、鮮烈な一撃としてこの挿話は置かれている。

08 THE WATER-WORN SPHINX

第八章スフィンクスは、雨に削られている

本書のエジプト編は、ひとつの地質学的な異変から始まる。

★ EROSION 水による侵食の痕跡が残るスフィンクス
砂漠で、水による侵食
SPHINX / 通説より一万年古い可能性

スフィンクス。本書によれば、その表面には奇妙な摩耗がある。背後では、十二フィート(約3.6メートル)もの深さに削れ込んだ箇所がある。そしてその削れ方が、他のエジプトの建造物とまるで違う。他の建物の摩耗は砂と風によるもの——年代相応のものだ。ところがスフィンクスの摩耗は、まるで水で滑らかにされたように見える。

この異変に気づいたのが、独学のエジプト学者シュヴァレ・ド・ルビッツ。のちにジョン・アンソニー・ウェストが引き継ぎ、地質学者ロバート・ショックを巻き込んだ。砂漠で、水による侵食。コンピュータの試算では、これほどの摩耗を生むには、二十四時間休みなく、最低でも千年もの豪雨が必要だという。本書はそこから結論する。スフィンクスは少なくとも八千年、おそらく一万から一万五千年前、あるいはもっと古い、と。

本書はさらに踏み込んだ主張をする。エジプトの考古学者の多くがこの説を頑なに認めないのは、彼らの大半がムスリムで、その聖典の伝統的解釈が「創造は約六千年前」とするからだ、と。六千年より古いものを認めれば、信仰と衝突する。だから議論すらしない——本書はそう書く(著者自身、これは宗教を貶める意図ではなく報告だ、と断っている)。

/ 検証の目線

ここは事実関係を分けて見たい。スフィンクスの水侵食説は実在の学説で、ショックらが地質学的根拠を提示し、考古学界と長く論争してきた。ただし反論も強く、雨水説のほか、塩類風化や石質の差で説明できるとする研究もあり、決着はついていない。本書が紹介する「考古学者の宗教的動機」説は、著者一個の見立てであって、定説ではない。ただ、スフィンクスの年代が通説より古い可能性をめぐる論争が現実に存在することは、確かだ。シュメール文明(紀元前3800年頃)を人類最古とする教科書を、もし一万年前の人工物が揺るがすなら——本書のその興奮は、根のないものではない。

09 MER-KA-BA, THE LIGHT BODY

第九章マカバ――回転する光の体

そして本書は、すべての糸をひとつの形へ束ねる。

★ MER-KA-BA 星型二重四面体のマカバと銀河の対応
体を包む、回転する光の場
STAR TETRAHEDRON / 人体と銀河が同じ形になる

マカバ(マーカバ)。星型二重四面体——二つの正四面体が互いに逆向きに貫き合った立体。三次元のダビデの星、と本書は言い換える。本書によれば、これは私たちの体を取り巻くエネルギー体だ。上向きの四面体の頂点は頭上「手のひら一枚分」、下向きの頂点は足下「手のひら一枚分」で終わる。体の中心を貫く管が両頂点を結び、その管の太さは、親指と中指で輪を作ったときの円の直径——あなた自身の体で測れる。

マカバという語は、本書によればエジプト第十八王朝でのみ理解された言葉で、メル(逆回転する二つの光の場)・カ(個の霊)・バ(霊が抱く現実の解釈、多くは肉体)からなる。光と霊と体が、ひとつに統合された状態。健全に回転するマカバは、身長に比例して直径およそ五十から六十フィート。そして本書が示す驚きの一致——適切な装置で回転するマカバを画面に映すと、その姿は銀河の赤外線写真(ソンブレロ銀河の熱の輪郭)と同じ形になる。そしてそれは、昔ながらの空飛ぶ円盤の形そのものだ、と。

本書によれば、堕落とともに、人類のマカバは回転を止めた。光速近くで回っていた光の場が、停止した。だから私たちは本来の高次意識から切り離されている。正しい呼吸——具体的な瞑想によって、止まったマカバを再び回し始めることができる。それがアセンションへの扉を開く。

ただし、第1巻はその扉の手前で止まる。マカバ瞑想の具体的な手順、十七の呼吸からなるその技法は、第2巻で初めて文字になる。著者は逡巡したと書いている。チベット仏教の最終段階に、本を一冊読んだだけで飛び込むだろうか、と。だからこそ第1巻は、なぜそれが必要なのかを、円から宇宙まで、松果体からシリウスまで、スフィンクスからダ・ヴィンチまでの壮大な迂回路を通して、読者の腑に落とすための本なのだ。

/ 検証の目線

マカバ(メルカバ)という語は、本書ではエジプト由来とされるが、ヘブライ語の「戦車(merkavah)」——ユダヤ神秘主義メルカバー思想の系譜に連なる概念でもある。本書はこの古い神秘思想を独自の幾何学で再構成した。その独創ゆえに、剽窃の批判も浴びてきた。とりわけメル・ファウンデーションのスタン・テネンは、ヘブライ文字の幾何学研究を本書周辺が無断流用・歪曲したと長く主張している。本書を読むなら、その輝きと、その影の両方を知っておきたい。

10 DA VINCI & THE GOLDEN RATIO

第十章ダ・ヴィンチ、円と正方形のあいだの人間

物語は古代から、ルネサンスへ跳ぶ。

★ φ 円と正方形に収まる光の人体、五芒星とフィボナッチ螺旋
人間とは、歩く幾何学である
VITRUVIAN / 円と正方形、隠れた五芒星、黄金比

レオナルド・ダ・ヴィンチ。本書によれば、彼はフラワー・オブ・ライフとその数学的性質を研究し、生命の花そのものや種の生命を手稿に描き残していた。そして本書が決定的な証拠として持ち出すのが、あの「ウィトルウィウス的人体図」だ。

両手両足を広げた男が、円と正方形の両方にぴたりと収まる、あのスケッチ。本書はこう読む。正方形は地(物質界)、円は天(神的秩序)。同じ一人の人間が、その両方に同時に収まる。つまり人体は、天と地を架橋する幾何学的な橋なのだ、と。図を分析すると、最もφ(黄金比)に満ちた形——五芒星が隠れて現れる。人体のいたるところに、黄金比、約1.618が反復する。

本書によれば、人間とは歩く幾何学である。へそを中心とした身体の分割、骨の比率、顔の配置。そして自然界の螺旋——ひまわりの種、松ぼっくり、オウムガイ、銀河。それらを貫くのがフィボナッチ数列だ。前の二つの数を足していく、1、1、2、3、5、8、13、21……。隣り合う項の比は、進むほど黄金比に収束していく。

/ 検証の目線

黄金比が「あらゆる美の鍵」だという俗説の多くは後付けで、過剰だ。だが、フィボナッチ数列がひまわりや松ぼっくりの螺旋に現れることは植物学的な事実であり、その背後には成長の最適化という合理的な理由がある。そして本書がもっとも好む符合——DNAの二重らせんは、一回転ごとに34オングストローム進み、幅は21オングストローム。どちらもフィボナッチ数だ。34を21で割ると約1.619。黄金比φにほぼ等しい。人体に黄金比が宿るという本書の詩は、ここで一片の実在に触れる。私たちの遺伝情報そのものが、フィボナッチの比率で書かれている。

CLOSING

『フラワー・オブ・ライフ』第1巻は、奇妙な本である。物理学と神話、コンパスで描ける幾何学と検証不可能な宇宙史、誰でも再現できる図形と、緑と紫の天使。本書はその両極を、平然と同じページに並べる。そしてどこからどこまでが事実でどこからが物語か——その線引きを、最後まで読者に委ね続ける。

だが、それこそがこの本の本質だ。著者は何度も書いている。情報は重要ではない。誤りを見つけたら、もっと深く見よ。真実と思うか物語と思うかは、あなたが決めること。心で深く聴け、心はいつも真実を知っている、と。

縮んだ松果体。一つの円。最初の八細胞。シリウスを回る重い星。雨に削られたスフィンクス。円と正方形に収まる人間。逆回転する光の体。本書はこれらを、ひとつの花のなかへ束ねてみせる。蜂の巣の六角形に、ひまわりの螺旋に、自分のDNAの比率に、ふと同じ図形が透けて見える。その瞬間、あなたはもう、生命の花の内側にいる。

私たちは本当は誰なのか。
ひとつの円が、その問いの入口だった。

そして本書によれば、答えはもう、あなたの頭の中心の、あの豆粒のなかに——丸ごと封じ込められている。

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